まずアーカイブファイルydiakun-0.80.tar.gz(またはydia-0_80.tgzなど)を適当なディレクトリ(例では/tmp)において、次のようにコマンドを実行してください。
% cd /tmp
% tar xzf ydiakun-0.80.tar.gz
% cd ydiakun-0.80
% ./configure
% make
% su
Password: XXXXXX <-- rootのパスワードを入力
# make install
# exit <-- rootから一般ユーザへ戻る
なおmake installせずに、src/ydiakunを実行することは可能です。この場合、メニュー表示などが英語になります。
インストールが完了すると、ディレクトリ/usr/local/doc/ydiakunに文書ファイルとデータファイルの例がコピーされます。.ydiakunrcや.gtkrcの例もあります。
ydiakunrcファイルを、適当に編集し、使用ユーザのホームディレクトリに.ydiakunrcとしてコピーすると、そのファイル内の設定が生かされます。
またメニューのフォントなどは、.gtkrcファイルで指定できます。 gtkrcファイルをホームディレクトリにコピー・リネームして御利用ください。なお ~/.gtkrcファイルはGTK+ライブラリを使う他のアプリケーションも読み込みます。システムにインストールされていないフォントなどを指定すると他のアプリケーションの表示も乱れます。ご注意ください。
RPMパッケージをインストール
RPMパッケージは、RedHatやMandrake, Turbo, Laser5, Vineなどrpmコマンドがある環境で利用できます。パッケージファイルを適当なディレクトリ(例では/tmpディレクトリ)におき、次のコマンドを実行してください。
% cd /tmp
% su
Password: XXXXX <--- rootのパスワードを入力
# rpm -i ydiakun-0.80.N.i386.rpm
# exit <--- 一般ユーザへ戻る
設定ファイルやデータファイルの例とドキュメントファイルは/usr/local/doc/ydiakunにおかれます。
すでに古いバージョンをrpmコマンドでインストールしている場合は、rpmコマンドのオプションの'-i'を'-F'に置き換えて実行してください。
使用方法
起動
X-Window Systemが稼働している環境で、次のようにコマンドを実行してください。
% ydiakun [ 'dia file' ]&
MS-Windows用のWinDIAファイルを表示する場合、root以外のユーザで実行してください。
MS-Windowsのファイルの文字コードは一般的にShift-JISですが、ydiakunはEUCコードしか扱えません。文字コード変換プログラムを内部で実行していますが、安全を配慮し、実行ユーザがrootの場合 変換プログラムを実行しません。
rootユーザでも文字コードがEUCのファイルを表示できます。
コマンドの引数にダイヤファイルを指定すれば、そのダイヤが表示されます。引数を指定せず、メニューから開くファイルを指定することも可能です。
また、ホームディレクトリの.gtkrcや.ydiakunrcファイルでアプリケーションの初期設定を変更することができます。
メニュー
メニューから以下の操作が可能です。
- ファイル
-
- 開く
- ダイヤグラムを表示します。ウィンドウに表示されているダイヤグラムがなければそのウィンドウに表示します。すでに表示されているならば、別のウィンドウが生成されます。
WinDIA形式のファイルだけでなく、所定のフォーマットのCSV形式ファイルを読み込むことも可能です。
- 保存
- 開いているファイルへ上書保存します。ファイル内のキーワードの言語(日本語か英語)は元のファイルから変更できません。
- 別名保存
- 表示しているダイヤグラムをWinDIA形式で保存します。ファイルの文字コードはEUCです。ファイル名を指定すると、キーワードを英語にするか尋ねるダイアログが表示されます。WinDIAで使用するときは、英語キーワードにせず、保存後、文字コード変換プログラム(nkfなど)で文字コードをShift-JISへ変換してください。
- 画像保存
- 表示されているダイヤグラムを保存します。画像形式は、ファイル名の拡張子で示します(.jpgなど)。対応している画像形式は、システムにインストールされているImlibライブラリに依存します。
- 設定保存
- 現在の設定を保存します。ファイルを、ホームディレクトリに.ydiakunrcとして保存すると、フォントや時間線の間隔などの設定が生かされます。
- 閉じる
- 操作したウィンドウを閉じます。
- 終了
- 全てのウィンドウを閉じ、アプリケーションを終了します。
- 編集
-
- 列車情報(ポップアップメニューからだけ選択可能)
- マウスカーソルに最も近い駅に停車する列車の、発着時刻や列車種別・コメントを編集できます。下に詳細な説明があります。
- 新規
- 新しい列車を作成します。ダイアログボックスにマウスカーソルがある位置の時刻と駅名が表示されます。始発駅を決めたら、その位置にマウスカーソルをおき左クリックしてください。
すると、この停車時刻の信頼性や停車種別を指定するダイアログが開きます。必要ならば変更して、"了解"ボタンを押して下さい。
それからダイアログボックスで列車種別と列車番号を入力します。
最後に、始発駅の次に止まる駅を設定します。始発駅を決定するときと同様のダイアログボックスが表示され、マウスカーソルがある位置の時刻と駅名が分かります。適当な位置で左クリックし決定し、次に表示されるダイアログボックスで停車時刻の信頼性・停車種別を指定して下さい。。
なお時刻の信頼性を"計算値"とすると、着時刻は自動的に補正されます(前の駅の発時刻に、駅間の最短の所用時分を足した時刻)。時刻表に着時刻が掲載されていないが補正が不要な場合は、"予測値"としてください。
それ以降のデータ入力は、「延長」メニューから行ってください。
- 延長(ポップアップメニューからだけ選択可能)
- すでに入力されている列車の運転区間を延長します。このメニューを選択した時にマウスカーソルがあった駅が延長区間の初めとなります。列車の始発駅か終着駅にマウスカーソルをおいてから右クリックでポップアップメニューを表示させ実行してください。
まず現在の始発駅(または終着駅)の発車時刻(または到着時刻)を決定します。ダイアログボックスに駅名とカーソルがある位置の時刻が表示されますので参考にマウスカーソルを移動し、適当な位置で左クリックしてください。
つづいて、この駅の次に停車する駅の到着時刻(または発車時刻)を決定します。マウスカーソルを移動すると、始発駅(または終着駅)の発車時刻(または到着時刻)の位置からカーソルの位置まで赤線が伸びます。参考にしてください。
なお次の停車駅は始発駅の隣の駅である必要はありません。始発駅と次の停車駅との間の駅は通過に設定されます。
「新規」の時と同様に、停車時刻の信頼性・停車種別を指定するダイアログボックスが表示されます。時刻の信頼性のデフォルト値は、市販されている時刻表からデータを入力する際に便利なよう、初めの駅は"確定"、次の駅は"計算値"になっています。
- コピー(ポップアップメニューからだけ選択可能)
- 列車をクリップボードへコピーします。ポップアップメニューを表示させたときのマウスカーソル周辺にある列車からコピーする列車を選びます。
「貼り付け」で、コピーした列車を別の時刻で走らせることができます。全区間だけでなく、一部区間だけのコピーも可能です。
- カット(ポップアップメニューからだけ選択可能)
- 列車をクリップボードへ移動します。ポップアップメニューを表示させたときのマウスカーソル周辺にある列車からコピーする列車を選びます。対象になった列車は削除されます。「貼り付け」で、別の時刻に走らせることができます。全区間だけでなく、始発駅か終着駅を含む一部区間だけをカットすることも可能です。
- 貼り付け
- コピーやカットでクリップボードに保存された列車を貼り付けます。マウスカーソル位置に応じて、赤線で、その列車のスジが表示されます。またカーソル位置の駅と列車の通過時刻(停車時刻)がダイアログボックスに表示されます。適当な位置で左クリックしてください。続いて表示されるダイアログボックスで、新しい列車種別と列車番号を入力すると、新しい列車として登録されます。
- 削除
- 列車を削除します。全区間だけでなく、始発駅・終着駅を含む一部区間だけを削除することができます。
- 戻す
- 編集結果を破棄し元に戻します。列車の追加や延長、コピー・カット・貼り付け、削除、列車情報ダイアログの編集内容が対象です。
- 表示
-
- 時間線間隔
- 1時間未満の時間線の間隔を指定します。
- 時間範囲
- 表示の開始時刻と終了時刻を'HH:MM'形式で指定します。ウィンドウサイズは変わりません。
- サイズ
- ウィンドウのサイズを変更します。縮小する場合、ウィンドウサイズは変更されませんが、ウィンドウの縁をドラッグするなどして変更してください。
- フォント
- タイトルとダイヤ(駅名/時間)別に、表示フォントを変更します。ダイアログボックス上の右下のラジオボタンでどちらかを指定してください。
フォントスタイルで文字集合を設定できます。主な文字集合は次の通りです。
- iso646, jisx0201
- 英数字
- jisx0208, jisx0212
- 日本語。記号や仮名・漢字など
- iso8859
- ラテンアルファベットなど
- 列車線様式
- 画面上のスジ(列車線)の、線の種類や色・線の幅を列車種別毎に設定できます。「試用」ボタンを押すとその種別の線だけが変更されて表示されます。「了解」ボタンを押すと、このダイアログボックスで変更した全ての種別の線が変更されて表示されます。「取消」を押すと、元の設定で表示されます。
- ヘルプ
-
- アプリケーション情報
- バージョンや作者連絡先が記されたダイアログボックスが表示されます。
マウスボタン
ダイヤ表示画面でマウスカーソルを適当な場所におき、ボタンをクリックすると次の動作をします。
- 中ボタン
- マウスカーソル近くの駅の列車情報を表示するダイアログを開きます。最大5本の列車の情報を1度に表示します。編集はできません。
- 右ボタン
- ポップアップメニューを表示します。
このメニューの中から「列車情報」を選択すると、中ボタンをクリックしたときとほぼ同じダイアログが開き、列車種別やその列車に関するコメント、その駅での発着時刻を編集できます。カーソルに最も近いの駅の停車列車が対象です。
延長・コピー・カットを選択できるのはポップアップメニューだけです。
列車情報ダイアログ
右ボタンのメニューから「列車情報」を選択すると列車情報ダイアログでその駅の発着時刻や列車種別、列車に関するコメントを編集することができます。
時刻は、'HH:MM(S)'形式で入力してください。秒は現バージョンではファイルに保存されません。
通過にする場合は、'--'を入力してください。列車が実際に運行可能な値を入力してください。
また発着時刻を、マウスでスジを確認しながら編集することができます。時刻の下の「マウス編集」ボタンを押して下さい。修正後のスジは赤の太線で表示されます。別のダイアログボックスに、マウスカーソル位置の時刻が表示されます。適当な位置でクリックして下さい。
なお修正後のスジはそのまま表示されています。列車情報ダイアログの「了解」ボタンを押すと画面に修正内容が反映されます。修正前のスジが消え修正後のスジがその列車種別の様式で表示されます。
コメントは複数行に渡り記入することが可能です。しかし、そのデータファイルをWinDIAでそのまま使えなくなる可能性があります。御注意下さい。
終りに
配布条件はGNU General Public License(GPL)準拠とします。配布は自由ですが、このプログラムや、それから派生して作成された成果物を独占することはできません。詳細は、COPYINGファイルを参照してください。
WinDIAのデータファイルの解釈仕様書が、docsディレクトリのWinDIAform.txtファイルです。このファイルは、鈴木がWinDIAのデータファイルを解析しまとめたものです(WinDIAの開発者の古川様に一部 訂正していただきました)。WinDIAのデータ仕様をこのファイルが保証するものではありません。
最後になりましたが、WinDIA作者の古川 知幸様にWinDIAのデータ形式の仕様を御教示いただきました。ありがとうございました。またサーバリソースを無料で貸していただいているSourceForgeに感謝します。
連絡先
- 開発者(鈴木 康弘)
- ysuzuki@bb.mbn.or.jp
本好き鉄っちゃんの自己紹介
- ydiakunサポートページ
- http://ydiakun.sourceforge.net/
- WinDIA ウェッブサイト
- http://www.nifty.ne.jp/forum/ftrain/windia/